「おまえよりは冴えてるよ」
「お、相対化ですね。自分の冴え度を客観し、僕の冴え度を分析して、そのうえで自分のが冴えてるって思ってるんですよね？じゃあ、冴えって何ですか？」
「は？そんなこともわからんの？常識的に見ればわかるだろ？」
「そんな、非常識なこと言われてもわからんすよ。あなたの理解と説明を聞きたいんですよ」
「お前みたいな服装から見てそうだろう。安っぽいぺらぺらのジャケット着てるし、靴はアシックスって部活生かよ」
「ジャージ素材で洗濯機で洗える生活的で機能的なジャケットなんですよ。動きやすいし。靴はオニツカタイガーですよ。元は一緒なんですけどね。安心と信頼のアシックスクオリティーで結構歩いても足が痛くなったりしないんですよね」
「あなたのジャケットはパンツと色あってないし、靴はTPO的に浮いてますよ」
「服装のこと特に冴えてるとは言えないですよ。他の冴えはないんすかね？」
「そこのお姉さん方、僕らどっちが冴えてる？」
「あなた」
「ほら見ろ。俺じゃねぇか」
「外見の話ですかね。まぁあなたの方がイケメンなのはわかりますけど、それ引いたらどっちですか？」
「じゃあ、あなた。」
「僕でしたね。」
「じゃあってなんだよ。じゃあって。普通に考えれば俺だろ」
「不思議なこと言いますね。イケメンなの引いたらそりゃそうでしょ」
「普通そこ引かなねぇんだよ」
「普通じゃない方にお聞きしてしまったってことですかね」
「そうじゃねぇ。お前が言わせてんだよ」
「まあ、そうですけど、それで意見が変わるんだから、そういうことでしょ」
