憂いを帯びた美しいタイトルに惹かれて買った。「命の際の歌が胸を突く」と帯に書かれている。解説でもそのような視点で読み解かれている。そのように思う。生き残りが死をどのように受け止めていくのかを教えてもらった歌集だった。最後の一首は火葬を詠んでいるのだと解説で知って絵が見えた。
- もうすぐでしあわせになれるひとたちが白線の内側で不幸を選ぶ
- いままでもこれからもない部屋にいてきみのみつあみをなんどもなんども
- ここがいちばん安心できるといいながら泣きながら作り上げてゆくここ
- 花粉症だったからだのまわりにも花が置かれてみんな燃えてく