風の谷のナウシカ 漫画版

 

 

ついに読んでしまった。圧巻。1巻は150刷りだってさ。
一気に読んだから中盤まったく覚えてないのがもったいないのでまたいつか。
エピローグがあまりないのがつらい。戦争の終わりには追悼と宴と繁栄を頼むよ。


分け隔てなくすべての生命を愛し、愛される少女は村の長の娘として戦争へ向かう。
混沌極まる残酷な戦争の中で、外道をいく帝国は神聖なオームや腐海をも武器とし、敵も味方も大地も破壊していく。
無垢な自然を兵器として利用された生命の逆襲と暴走が多くを飲み込む。
その地獄の中で少女は怒りと無力を抱え込み、オームの真意に心救われる。

戦いの中でもやさしさを、やさしさの中にも戦いを貫くナウシカは多くの尊敬と愛情を得る。
戦争、目覚めた古代兵器巨神兵、世界を飲み込む腐海
すべての答えと終わりを求め、決戦の地を目指す。

彼の地、天国を見る。それは現実。しかし誘うは闇。
戦争を背後から操る闇は古代人のなれの果てだった。
滅びの道を歩み、滅びのその先へと生き抜こうとする古代人。
滅びの中の今を生きるナウシカ達。
滅びの終わりがナウシカ達の終わりであり、滅びの終わりが古代人の新たな始まりである。
「滅び」を守るナウシカ、「滅び」を急ぐ古代人。
滅びゆく世界の片隅にある、しかし消えゆく運命にある平和を守り抜かんとするナウシカの覚悟と決意。
彼女の猛々しくも優しい風が頬をなでるのは今に生きる人々だけ。
誰よりも深いやさしさは、殺戮と嘘によってなされる。