夏風が夏めく夜の歌詞の下書き

せっかくなので作詞プロセスを記録しておく。

# 俺の今の夏

もはや夏は嫌いだ。生命の危機を感じる暑さの中で仕事をしている。粉ポカリを常飲するようになったのと空調服のお陰でだいぶ耐えられるようになってはいるが、それでもシンプル体力を奪い取っていくこと、セメントの硬化が早すぎて焦燥感を感じるなどストレスは多い。最近は腰をいたわるため、休日は座りっぱなしになりがちだったのを外出して5kmくらいは歩くようにしている。椅子に座っているだけで腰痛の原因になるし、歩くだけで腰痛の緩和になる。おもに公園をぐるぐる歩いているがそれもの夏の暑さの中ではクラクラしてくる。今の俺の一番の懸念事項である腰痛の対策それをストレスフルなものにしているのがマジでクソだ。梅雨だってそうだ。休日の雨は外出が辛くなる。小ぶりなら出かけるが、本降りの中の散歩も辛いものがある。今日も7月の頭だというのにもう38度の日曜だ。2kmも歩かないうちに熱中症の予兆を感じ途中で帰ってきた。いつもなら3,4kmは歩けるのに。自宅にいてもエアコンをつけっぱなしの部屋にいて、それだけで体力を奪われているように感じる。夏の睡眠は寝起きから疲労を感じるというか、部屋の中が適温なだけに外が暑いことに辟易とするのだろう。35度以上は気力の面でもクソだ。死を感じる。良い面があるとするならば、土間コンの時は仕事が早く終わることと家に帰ったあとのシャワーのあの気持ちよさであろう。仕事が短いことと風呂に入れることは幸福だ。それ以外はクソだ。


さて、詩を、歌詞を書きたい。若者のすべてに強い影響をうけた歌詞を書きたい。今の俺の夏にあの曲の要素などないに等しい。そもそも今の夏ではなく、昔の、美化された思い出の中の夏を描いた曲であろうと思うので、今の俺の夏など関係ない。がしかし。俺が書く以上俺的なものであってほしい。というか俺のための、俺自身を救済する曲になってほしいのだ。上記のストレスを解体する詩を直接的に書いたところでなにも美しくはない。苦しみの中で生きる続けている自分を肯定するかのような、果てしない終わりなき現実逃避を描くべきだろうと思う。それは現実の描写ではない。現実を隠す虚像をレイヤリングされた虚空に描くのだろう。話を戻して、今ではない昔の夏を思い出そう。


夏は夏休みでしかない。幼少期において夏は夏休みを意味する言葉でしかない。早くも思い出したくない思い出が思い出されていく。書き出したくない。それを美化する能力が今の俺にあるのだとしても。つらい。夏休みの宿題やってない。学校のプール行かされるが行きたくない。行きたくないけど行ったら行ったで楽しい。意外とみんな来てる。遊びの誘い受けて友達の家に行ったら宿題やってて俺は宿題など持ってきてない。ゲームやってたけど飽きたのと疎外感に怒って帰った。泣きながら帰ってはいないはずだ。次あったときにそれを謝りに来た友達偉い。自室にエアコンない。扇風機でしのいでいたが色々と限界だった。エアコンが効いている親の寝室に、完全に無意識で夜中に移動してた。朝起きたらなんで親の部屋にいるのかわからなかった。それが何度もあった。これは幼少というより精神を病んだ15歳くらいの話のような気がするし、夏以外にもあった気がする。美化された夏の記憶が描かれる場合、学生時代青年期の夏をテーマにされることが多いように思う。この曲においては学生要素はない。しかし青年期にかけての変化
は書かれてるように思う。俺の学生時代は中学2年中退で終了しており、大卒の人の半分くらいしか学生経験がない。空白の青春に描く物語は無限を詰め込める気がする。それはさておき俺の学生時代へ戻るとするならば。やはり夏休みの宿題やってない。8月末に中学の図書室に通いやっていたな。みんな夏休みの宿題をやってないといいじつはやっている人ばかりだったな。なんだったんだ。真面目に勉強することへの照れどころか恥すらあったのだろうか。俺は学問は好きだったし、勉強は嫌いではなかったが、それ以上に勉強以外に好きなことが多かったため、勉強の優先度は低めだった。暇すぎる夏休みの虚無があったはずなのだが思い出せない。やはり虚無感は虚無なのだろう。勉強より暇のほうが好きだったし今日においてもそうだな。それはさておき。夏の恋愛などはない。夏の情景など子どものころの感受性と言語化能力では記憶の残る形で表現するすべがない。覚えてない。思い出せない。夏の運命などは、夏の約束などは、夏の夢などはない。僕の言葉は学生時代の別れとともにやってきた。

---

# 若者のすべて
- 1
  - Verse
    - 日常の情景
    - 夏の折り返し、または終わり
  - Bridge
    - 郷愁、ノスタルジア、幼少、夕方5時
    - 1フレーズだけ不明瞭な私的な詩
      - 「運命」なんて便利なものでぼんやりさせて
  - Chrous
    - 夏の終わり、思い出、再開の願望とじんわりとした否定
    - それでも
- 2 
  - Verse
    - 抽象的な大きな言葉、悟りを開いたり閉じたり
  - Bridge
    - 焦燥感、ノスタルジア、安心へ移動、抽象的な大きなエモめの気力
  - Chrous
    - ...
- 3
  - Verse
    - 傷ついても、それでも
  - Chrous
    - 願い叶う?、再開されど困惑とさらに願望、しかし舞台は


夏の情景と情念と恋愛。

運命、世界の約束、途切れた夢の続き。
別れを運命と呼んで中和?
成長と上には上、先には先。
途切れた夢の続きとは?

---

# 夏はやがて、夏の今、夏は懐かしい

記憶に残る形にするすべもなく
夏の虚空は今日に残らない

みんなどうして嘘をついていたの
夏の図書館に取り残されていた

夕立は毎日のように音を立てて
空の天井まで雲が伸びて膨らむ

あぁ そろそろ帰らなくちゃ
あぁ どうして帰らなくちゃいけないのかな

僕を待って くれてる人がいる
ことが僕は わかってた

やがてみんなと同じようには歩けない
と知った時にもう手遅れで

意味のない四季が巡り巡る中
終わらない夏休みに心はうだってた

さあ こうして言葉は実り始めて
ただ 話せば話すほどにわからなくなるよ

僕を待って くれてた人がいる
ことが僕が 縛り続けるよ

夏が夏めく夜を超えるそのたびに
夢にも思わない目覚めにかなしくなるよ

もう 一通り分かった気がしたんだ
まあ いいかなって言えるようになったんだ

風の木陰だけ歩いて行ければいいのに
そうはいかないことはもうどうでもいいんだ

僕が僕をすり減らす日々の終わりに
僕を僕たらしめる場所に帰ることは決まってるんだ

鮮やかな景色が色褪せないうちに
言葉にならないすべてを話しておこうよ

---

勢いで書いたが、メロディーと一緒に歌詞がでてくるので韻や語感が優先されてしまう。前半は幼少の夏、後半は14歳以降の夏、ラストは現在の夏。後半とラストの境界と中身がたりてないのでつけたしたい。「僕」を減らしたいし、できれば今の夏は書きたくないし、僕を待ってくれている人についても書きたくないが、そこを書く意義があるようでいて、かなりの拒否反応が今出てるのでやめたほうがいいと思う。

---

嘘を信じて 夏の図書館に残された
人と人の中で 夏は褪せゆく

笑い疲れて なすべきことはなさずに
それでもいいわけ ないと知ってた
でもね

僕らそれぞれに背負う性
どうせそのうちに終わるから
それよりもずっと大切なこと
僕らもう知り始めて いるからさ

記憶に残る形にするすべもなく
夏の虚空は今日に残らない

暇は暇の そのままで変わらずに
流れ行く景色を 見てただけだった
でもね

僕はそれならば見開く眼
立ち止まって間違いは正せない
日差しを避けて風の木陰を目指して
僕はたぶんもう だめなんだ

色々あって僕は僕の成れの果て
これでいいんだと言うほかないだろう
今からだって遅くはないはずなんだ
ここから歩いてはいけないみたいだ
いつまでたってもあの日の孤独が
このままでいいんだと僕を叱るよ

夏が夏めく夜を超えるたび
夢にも思わない目覚めがあったこと

---

幼少の開放感と青年の閉塞感とが合わなすぎるし、後半の色が濃い。暗い詩になるがそれでいいんだよな。ほんとに?歌詞書いている途中に心折れてるんだよね。ちょっと頑張ろうか。

---

嘘を信じて 夏の図書館に残された
人と人の中で 夏は褪せゆく

笑い疲れて なすべきことはなさずに
それ以外になにがあったというのだろうか

僕らそれぞれに背負う性
どうせそのうちに終わると知っていて
それよりもずっと大切なことがあって
終わっていくことが意味をなすこともなく

記憶に残る形にするすべもなく
夏の虚空は今日に残らない

暑さにうだって やるべきことをやり続け
それ以外でもなんでもできるはずなんだけどな

僕の道だと言うらしい道ならば
とりあえず歩まねばならぬだろう
それよりもずっと大切なことがあっても
立ち止まることが意味を持つこともなく

日差しを避けて風の木陰を目指して
色々あっても僕は僕の成れの果てでしかなくて

夏が夏めく夜を超えるたび
夢にも思わない目覚めがあったことを
覚えてる

僕が僕ならばこの先で灯る光を見逃さない
いつかだれよりもだれかに優しくなるためのあの悲しみ
その日はまだこないみたいだけど
僕が僕のためならば今日でも明日でも
いつでもだれよりも優しくなるための詩を詠うよ

---

# スマホから

嘘を信じて 図書室にとり残された
人と人の中で 夏は褪せゆく

笑い疲れて なすべきことはなさずに
それ以外になにがあったって言うんだろう

続きもまた明日

僕らそれぞれに背負う性は
どうせそのうちにできると知っていて
それよりもずっと大切なことがあって
夏の終りが意味をなすこともなく

記憶に残る 形にするすべもなく
夏の虚空は 今日に残らない

暑さにうだって やるべきことをやり続け
どうやら自由はとても息苦しい

今日は早く帰れるみたいだ

僕の道だと言う 告げられた道ならば
とりあえず歩かないわけにもいかないらしい
それよりもずっと見据える標があっても
立ち止まることさえ意味を成すこともなく

夏が夏めく眠れぬ夜を超えていく
夢にも思わない目覚めがあったこと

青空が青めく朝のまばゆさに瞼が閉じてく
色々あったのに僕は僕の成れの果てのままだ

行くしかないんだよ だけど 

僕が僕ならばこの先で灯る明かりを見逃しはしないから
いつかだれよりもだれかに優しくなるための準備はできている
いつかその時は未だにこないみたいなんだじゃあ全部無駄だったかな ただ
僕は僕のためいつの日もだれよりも優しくなるための詩を詠えるよ
さあ少し遠くの風の木陰へ行こう 

---

サビのフレーズは2つに分けよう
ハンコではないマジックワード

---

勢いが途切れたのでもう何も思い浮かばない。夕立と昼立があった。濡れた。空調服のバッテリーが一日半しか持たなくなった。はぁ。腰限界だった。はぁ。これを聞かせて何になる。はぁ。

---

夏が夏めく夜を眠り抜けて、青空が青めく朝のまばゆさに眠りは溶けてく

誰しもに平等に吹く風にさえ疎外感を感じるような熱気の中で

まつりの喧騒、苛立ち、疎外感、逃避、ざわめき、君もいたのか、疎外感、恐怖

---

記憶に残る形にするすべもなく
夏の虚空は今日に残らないから
残り物の思い出の中から選ばなくちゃいけない

夏の虚空は今日に残らない
最初からなかったみたいに

空白の青春の空白の部分は
本当なら咲かずとも花だったらしい

形にするすべもなく記憶は

歩き始めころは僕でさも希望に満ちてた
落ちるところまで落ちたところからの景色は何にもかもがきれいだ

ちゃんと熱くなれよ ずっと穏やかなままで
汗をさらう風で前を向ける

---

ニワトコの杖は僕に微笑む

錯綜する夏の虚空

窓の内側

---

暇な時はなにしてたんだっけ
夏の虚空に消えた物語

記憶に残る形にするすべもなく
写真の私は私じゃないみたい

思い出は所詮ただの残り物なんだ
どうしたって捨てられない

咲かずとも花は花だから
寝ぼけ眼開いてもアサガオと目が合わなくても

うだる汗さらう風が暖かくて
少し遠く白い雲が膨らむほど黒くなっていった

さっきまで空の天井が見えていたよ

夕焼けを背にずっとあなたのほうがまぶしかった

雷鳴 急ごうかな

開け放つ窓という窓に降り注ぐ雨は
もう窓の外側 私の内側は濡れていた
さわぐ胸なでおろす腕が震えていた
夕暮れが色褪せていった

理由のない明かりがいくつも灯る灯る
それを頼りに歩く人の影がついてくる
理由のない花火がいくつも咲いて散った
思い出はただの残り物のはずなのに

夏が夏めく夜に瞬く夢物語
今もどこかであなたはあなたのままなんだろうね

---

大人しく寝るか
つけっぱなしのクーラー
熱せされたマットレス
まな板の上の俺

詩を描く時、言葉にしようと思わない場面が頭の中をよぎる。何も思いつかないくらいなら書けばいいのに

歩くことを強いられた 痛み

---

明日が明日のままずっとそのままなら良かったのに
私が私であろうとすることが私を傷つけるとしても
強引に割り込んでくる花火という存在すぐ消えるから苛立ちはどこへむかうアタナへ向かう
今日が今日のままずっとそのままでもいいのに
代わり映えしない日々こそ幸せの化身だろう
唐突に目が眩む開け放つ遮光カーテンすぐには消えない眠気は眠気を重ねてまぶたは重く

---

おまえじゃない

---

僕の過ち 君は優しい

謎が謎めく 堂々巡り かすかな希望 瞬いて瞬いて
謎が謎めく 堂々巡り どんな結末も 同じに見えて
僕が気づけば 形を変えて 手をすり抜ける 心はつかめやしない
僕の覚悟が 決まらない 決まらない 決まらない

これくらいなら いけそうなんだけど
これまでのこと 思い返せば あぁ どうなんだろう

汗は流るる 風を追い越す 雨の夕立 僕の旅立ち
窓の外側 昨日のままだ 窓を開ければ 昨日が吹き込む
家に帰れる 早く帰れる 僕の平日
夢に敗れる 雨に打たれる 涙流るる 君が君を通り抜ける

僕が気に病む こともぜんぶ 淡い日陰で 風がさらっていく
夏が夏めく 空を染めてく 夕暮れが陰る 
膨らむ雲が 黒くなれば 開け放つ窓 という窓へ 雨が吹き込めば
僕の過ち 君は優しい

---

ひとりだけ ひとりだけ ありふれてしまうこと 全然もってなくて
ひとつだけ ひとつだけ あたらしいことはじめて みたくなって

あくびが一つ漏れた 寝返りをうってみた

夏が夏めく 眠れぬ夜の 浅い夢ともに すべて薄れていく
僕が気に病む ことがぜんぶ 淡い木漏れ日のように 蝕んでいった
 
いまひとつ いまひとつ これじゃないような 気がしてしまって
もうだめだ もうやめよう こんなことしたって しょうがないって

やっぱり ずっと 怖いままだったけど

青空が青めく 朝の重い瞼 開け放つ窓の 向こう側へ //行くしかないだろう //僕は正しい
僕が僕らしく あればあるほど かすかな希望さえ 小さくなって 見えなくなって

夏が夏めく 空に膨らむ 白い雲が 黒くなる 黒くなる
僕が僕正す こともないままに 開け放たれた窓 という窓へ 雨は降り注ぐ

また同じ間違い探しをしていると気づかないまま
雷鳴は遠くなる 遠くなる

---

ひとりだけ ひとりだけ ありふれてしまうことあんまりもってなくて
ひとつだけ ひとつだけ あたらしいこととこかはじめてみたくなって

あくびが一つ漏れた 寝返りもうってみた

夏が夏めくこの夜の 浅い夢で空へ舞えたら
もうこれでいいなって思うから このままでも別にいいかな
僕が僕ゆく道が あぜ道である程度には
この先をゆく人が ちゃんといたんだ

だとしても そうだとしても 世界においていかれるような気がして
なんだけど そうなんだけど どうしようもなく運命ってそういうもんでしょ

風の岸辺ですべて諦めがついたことを なんども思い返すけれど

青空が青めく朝の まばゆさにまぶたがとじてく
もう今日はやめにしようかな どうせなら遠くへ行こうかな
僕が僕恥じる言葉の流れに いつまでも流されていないでよ
この先を見据えるまなこに 映すのは思い出ばかり

---

催花雨に打たれる前に開くべき傘を忘れて咲いてしまった

---

歩めなかった道を照らす
街灯が今ではあるらしい

随分前からここにいます
風の岸辺であきらめています

ふいに明るむ空
遅れて爆ぜる音
まばゆさよ さわがしさよ
どうかとおくで

夏風が夏めく夜の 浅い夢が滲んで見えた
僕が僕正す時間が すこしでも早く終わるように
めくるめく日々の向こうから 伸びる影に見覚えがあるから
このままでいられますように すこしでも長く続くように

もう帰れない家を素通り
許したはずの言葉が息を潜めてる

ずっと前から同じ間違い
探しを続けていることに気づかずに

青空が青めく朝の まばゆさになんども閉じていくまぶた
僕が僕らしくあるほど こんなにも未来を希望を閉ざしてく

夏が夏めく 空に膨らむ白い雲が
黒くなる 黒くなる
僕が僕正す こともないままに
開け放たれた窓 という窓へ 雨は降り注ぐ

なにもかもがこれでいいから これでいいから
雷鳴は遠くなる 遠くなる

---
これ以上歩けないと思った
いつの間にか増えた街灯
それを辿るだけで良かったのに
途方もなく続くそれに怖くなった

ふいに明るむ空
遅れて爆ぜる音
まばゆさよ
騒がしさよ
どうか遠くで

夏風が夏めく夜の
浅い夢が滲んで見えた
僕が僕成れの果てなおも
懐かしくなる心のひとひら/どこか

佇んだままなら佇んだままの
日々がそれなりに続いていく
すれ違う人が少ない道なら
なんとか歩けたみたいだ

ふいに巻き戻る記憶
続いて呻く声
愚かさよ
浅ましさよ
未だにゆらいで 

青空が青めく朝の
まばゆさにまぶたが閉じてく
僕が僕正す時間が 
すこしでも早く終わるように

美しさよ
鮮やかさよ
窓の向こうは 昨日と同じままで

朝焼けに色づく街の
始まりを通り抜けて
僕が僕正すこともないまま
適当に虚ろをまとって

語るべき心の奥を
歩むべき暗闇の中を

青空が青めく朝を
夏風が夏めく夜を
//僕が僕正すこともないまま
---

//明日はどこ行こう
//そう思う日々が来た
//鮮やかさよ
//美しいさよ
//悲しさよ
//浅ましさよ
//愚かさよ
//随分遠くまで 来たよ

//僕が僕状態移行表来たるべき日々の向こうへ
//僕が僕あきらめて何度も
//めくるめく日々の向こうから見覚えのある影が伸びてく
//僕が僕らしくあるほどこんなにも希望が閉じてく
//語るべき心の奥を 黙るべき目の前の情動を

今日は何しよう
今ではそう言える

窓の外は昨日と同じで
この景色さえ色褪せてしまうはずだったのに
鮮やかなまま枯れてゆく瞳

---
//これ以上歩けないと思った
//いつの間にか増えた街灯
//それを辿るだけで良かったのに
//途方もなく並ぶ灯りが怖くなった
//
//歩めなかった道を歩く
//他人に行き先を示す
//
//
//歩めなかった道で待つ
//夜の終わりを告げる人
//この景色が色褪せてしまう前に
//窓辺から立ち上がる
//
//
//あぜ道に看板進めば国道
//
//
//残り物の思い出が転がる道
//石のように蹴飛ばして
//家まで持って帰ろう
//
//
//歩めなかった道を照らす
//街灯が今ではあるらしい
//随分前からここにいます
//風の岸辺であきらめます

---


窓の向こうは昨日のまま
並ぶ街灯が灯っていく
窓の隙間を少し開けて
風にカーテンふれて

ふいに明るむ空
遅れて爆ぜる音
まばゆさよ
騒がしさよ
どうか遠くで

夏風が夏めく夜の
浅い夢が滲んで見えた
僕が僕正す時間が 
すこしでも早く終わるように

歩めなかった道を行く
人波も引いて
話し声に覚えがあって
知ってる名前が あ

そして巻き戻る時間
続いて呻く声
愚かさよ
浅ましさよ
未だに体は 覚えてる

夏風が夏めく夜の
静寂をなぞる喧騒
僕が僕正す時間が 
終わるまでこの目を閉じていよう

儚さよ
美しさよ
いつもひとりで いたくて

朝焼けに色づく街の
始まりを通り抜けて
僕が僕正すこともないまま
適当に虚ろをまとって

青空が青めく朝の
まばゆさにまぶたが閉じてく
僕が僕らしく生きるほど
こんなにも希望が閉じてく

夏空が夏めく正午に
二度と覚めないほど深い眠りを

語るべき心の奥を
歩むべき標の先を

夕暮れに色づく街の
色褪せる窓の向こうを
僕が僕らしくいないように
言の葉をむしり取ってく

---

窓の向こうは昨日のまま
並ぶ街灯が灯っていく
窓の隙間を少し開けて
風にカーテンふれて

ふいに明るむ空
遅れて爆ぜる音
まばゆさよ
騒がしさよ
どうか遠くで

夏風が夏めく夜の
浅い夢が滲んで見えた
僕が僕正す時間が 
すこしでも早く終わるように

めくるめく日々の向こうの
静寂をなぞる喧騒
僕が僕正す時間が 
終わるまでこの目を閉じていよう

歩めなかった道を行く
人波も引いて
川の流れに手を伸ばし
また同じ間違い あ

そして巻き戻る時間
続いて呻く声
愚かさよ
浅ましさよ
未だに体は 覚えてる

朝焼けに色づく街の
始まりを通り抜けて
僕が僕正すこともないまま
適当に虚ろをまとって

青空が青めく朝の
まばゆさにまぶたが閉じてく
僕が僕らしく生きるほど
ありふれた希望が閉じてく

歩むべき標の先を
語るべき心の奥を

夏空が夏めく正午に
二度と覚めないほど深い眠りを


夕焼けに色づく街の
色褪せる窓の向こうを
僕が僕らしくいないように
言の葉をむしり取ってく

---