腰が限界である旨を上司に伝えた。伝わった、伝わったのだが...
お隣さんのおばあさんがなくなって、おじいさんも認知症で施設に入るらしい。隣の家は空き家になるそうだ。昔はおじいさんの笑い声がよく聞こえた。おじいさんが悪くなってからはおばあさんがデイサービスの送り迎えの車を家の前で待っている姿をつい最近まで見かけた。三ヶ月くらい前まではいたような気がする。あっという間におばあさんは亡くなった。おじいさんを残して。こんなかんじでみんなきえていく。
頭の中では叫んでいるのに、叫ぶことができない。声は喉から腹から頭からやってくる。腹と頭との間に声を発声させないなにかがある。腹と頭の間に喉があるのだから腹なしでもなんとかならんのか。盲腸でおなじみ虫垂にはニューロンネットワークがあるとかないとかということが発見されたというニュースが最近あった。つまり虫垂には脳のようなものがある。腸の正常化をになっているようだが、もしやここに僕の発声を阻害するリアクションテーブルがあるのではないだろうか。ないとおもいます。あったとしても調べようがない。いつか、盲腸の手術をして性格が変わったら、そういうことだったのかとなるのだろう。
月を歩く。月日を歩く。火を歩く。目を歩く。目は泳ぐ。月の目。月のような目。月が目。
火、日、陽、否、秘、緋、灯、非、飛
詩が、歌声が、響き出した。頭の中で。